ドクター中松こと中松義郎氏は、日本で最も有名な発明家の一人であることは誰もが認めるところでしょう。
私も子供のころ、フライングシューズで元気に飛び跳ねておられる姿をテレビで拝見し、あのシューズが欲しいと秘かに思っていました。

そのドクター中松氏が、最近出演したテレビ番組で最大の収入源は「電動パチンコ」の発明であると告白されたそうです。

ドクター・中松氏 最大の収入源を「パチンコの自動化」と告白– livedoorNEWS – 2017.7.27

具体的な金額までは明かされなかったものの、番組が独自に推計された金額はなんと『年間約552億円

ドクター中松ってそんなに儲かっていたのか!と思われる人も多いでしょうが、この数字には疑問があります。
この推計額はパチンコ台の2006年から2015年までの販売台数等に基づいて算出した売上高から、特許使用料の相場と言われている5%がドクター中松氏に入るものとして推定された金額のようです。
どこに疑問があるのかと言いますと、まず、特許権の権利期間は、特許出願から原則20年と決まっていることとの矛盾です。
Wikipediaによると、電動式ハンドルのパチンコが認可されたのが1972年となっています。電動パチンコ自体を発明したという特許であれば、少なくともその1972年より前に出願しているはずです。
また、特許庁の検索システムで調べたところ電動パチンコに関して平成年代で登録されたドクター中松氏の特許もなさそうです。

従って、近年のパチンコ市場規模を参考にしてもあまり意味はなさそうです。
ドクター中松氏の特許が有効であった頃の市場規模や、どれくらいの台が氏の技術を使っているものであったのかなどを加味しなければ、その特許による収入の推定は難しいでしょう。

とはいえ、ドクター中松氏はかなりの大豪邸にお住まいのようですので、やはり相当な収入があったことは推測できます。

積み上げられたコイン

竹村 恵一

弁理士。
主に知財ニュースを担当。
家庭ではたこ焼き担当。
趣味はフットサル。最近は、低下した体力に見合った新たな趣味を模索中。