PDCA

目標を基準にして計画を立てる

PDCAとは、lan(計画)、o(実行)、heck(評価)、ct(改善)の頭文字を取った、製造業の改善活動でよく使われる手法です。PDCAは新商品開発にも使うことができます。「これだけPDCA」(すばる舎リンゲージ)がヒットした船井総合研究所上席コンサルタントの川原慎也氏に新商品開発に使うコツについて話を伺いました。

川原氏は「改善活動と新商品開発のPDCAは難しさが違う」と話します。改善活動でPDCAを行っている会社では、計画、実行は難しくないが、評価、改善のステップが難しいと言います。これは、自分の現在行っている業務に対しては計画を立てることはやりやすく簡単に思えるからだと言います。

しかし、ここに落とし穴があります。日頃からPDCAを行っている会社は今できていることに対して計画を立てるため計画を甘く見る傾向にあるそうです。新商品開発において従来の改善活動と同じようにPDCAを行うと計画が甘くなり、いい新商品が作れなくなるのです。

それは、認識がただ「計画」を立てることなのか「目標」を立てることなのかの違いだと言います。計画はあくまで目標を達成するためにあるものであり最終的に目標を基準に計画を立てなければ計画が甘くなってしまう。改善活動の目標の多くは今までやってきたことの改善ですので多くはできそうなものとなります。それに対して、新商品開発はちょっと良くするという程度では成功しません。

そのため、正しい現状把握をして、課題解決の方向性を考え、しっかりと計画を立てなければPDCAによる新製品開発はうまくいかないといいます。新製品開発は新しいものを作るため通常の改善活動とは違う視点が必要であると感じました。

実行はうまくいくはずがない

新製品開発について実行することの難しさも話してくれました。

「まず新製品開発では実行しても大半はうまくいかないということです。そのため、初めてのことで失敗した時に心が折れないようにすることが大切」だと言います。新商品開発は、会社内でも抵抗勢力が多いはずです。少しでも失敗すると元の現状に戻ろうとするのが普通です。その普通に戻らないように実行を続けていくことが大切だと言います。

しかし、元の状態に戻ろうとしている状況を打開して実行をし続けることが難しいです。だからこそ、プランを考える段階でうまくいかないことを想定して計画を立てることが重要であると感じました。

そして、新製品開発では計画を立てる段階でさまざまな問題を予測し最終的な目標を達成するための計画を立て、そのあとはひたすら実行→評価→改善を繰り返すことが重要だといいます。新商品開発ではうまくいかずに途中で挫折してしまう機会を見てきましたが、うまくいかないことを想定した計画作りということがポイントであると感じました。

富澤 正

弁理士。当サイト『開発NEXT』および同タイトルのフリーペーパーの編集主幹。
■経歴
知財コンサルタント。コスモス特許事務所パートナー。名古屋工業大学非常勤講師。
1980年愛知県生まれ。名古屋工業大学大学院修了。
特許業務の傍ら、知的財産の執筆活動・講演活動などを行う。自身の知的財産権を活かしてアイデア商品を作るベンチャー企業Time Factory株式会社を設立し、資格試験の受験生向けの商品などを手掛ける。
■専門分野
知財ビジネスマッチング、開放特許活用戦略、知財を活かしたビジネスモデル作り
■著書
『社長、その商品名、危なすぎます!』(日本経済新聞出版社)
『理系のための特許法・実用新案法』(中央経済社)
『理系のための意匠法』(中央経済社)
『理系のための商標法』(中央経済社)
■連載
『日経産業新聞』にて連載 (2017.5.12~20217.5.20)
『中部経済新聞』「みんなの特許」を毎週月曜日に連載中 (2014.4~現在)『サンケイビジネスアイ』「講師のホンネ」にて月1コラム連載 (2013.5~2014.1)
『日刊信用情報』にて「知財コンサルタント富澤正の「知的財産権を極める」」を週1コラム連載 (2013.9~2014.8)