中国の知的財産係争の判決例を紹介するシリーズ。今回は上海市第二中級人民法院(2013) 沪二中民五(知)初字第86号を紹介します。

事件の概要

  • 原告Xは、製品の特殊性により、侵害品製造メーカーから直接に侵害対象品を証拠として得ることができない
  • 被告Yは、原告Xが代理店から取得した侵害対象品は当該会社の製品を模倣した製品であると主張
  • 原告Xが事前に証拠規則によって証拠を収集する計画を作成して証拠を収集したことに鑑みて、裁判所は優位証拠規則により訴訟で原告Xの主張を認めた

前提となる事実

原告Xが「ブレーキ機構を備えたディスクブレーキ」という名称の発明特許(専利)を中国で持っている。
製品の特殊性により、原告Xは製造メーカーである被告Yから直接侵害品を証拠として得ることができず、被告Yの代理店から侵害品を証拠として得るしかなかった。

被告Yの主張

  • 被告Yの代理店が販売した侵害品にはそのプレートがない
  • 外包装における住所表示とも自分は関係ないので、侵害品は自分が生産したものでない

原告Xの主張

  • 公証により、購入した侵害品の実物における文字標識情報から、当該製品は被告Yが生産したものであることを証明できる
  • 取得した侵害品の構造と被告YがWebサイトで宣伝公開したブレーキ製品の規格・サイズ・構造は完全に一致しており、そのことは公証により示される
  • 本件の代理店から提供された被告Yと代理店との間の売買契約書には、侵害品の規格・サイズが含まれている
  • 被告Yは、侵害品が偽製品であることに対し、有効な反証を提供していない

裁判所の判断

  • 原告が提出した証拠の証明力が、明らかに被告側より大きいと認定(民事訴訟証拠に関する若干の規則第73条第1項)
  • 証明力が比較的大きい証拠を採用
  • 被告の行為は侵害である

本件の意義

特許権者が小売の方式で取得し難い侵害品については、証拠規則によって証拠を収集する計画を制定し、証拠を収集して、優位証拠に基づいて勝ち取るべきである。

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