中国の知的財産係争の判決例を紹介するシリーズ。今回は江蘇省蘇州市中級人民法院(2014) 蘇中知民初字第00310号を紹介します。

請求項に使われた技術用語は特許の明細書及び付図を基に優先的に解釈されるべきである。

本件で争点となったのは係争特許の請求項における「鉚接(日本語の意味:かしめ込む)」という技術特徴を如何に解釈するかの問題であった。

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被告の主張

被告は別の案件で第三者鑑定機構が提供された原告に不利な司法鑑定意見書を証拠として提出した。

  • 「鉚接」について文字通りに理解し、2つの物体を「リベットで繋げる」という関連技術分野で一般的な意味として解釈するべきである。
  • 係争侵害品にはリベットで繋げるという方法が使われていないため、原告の特許技術を使用しておらず原告の特許権を侵害していない。

原告の主張:

被告が提出した司法鑑定意見書とその関連主張に対し、原告は、請求項の技術特徴に関する解釈規則を法廷に主張した。

  • 請求項に使われる技術用語は、明細書及び図面を基に優先的に解釈されるべきで、明細書で特別に定義されている場合には、その定義に従わなければならない。
  • 従って、技術用語である「鉚接」を文字通りに「リベットで繋げる」と理解するのではなく、明細書及び図面に基づいて「かしめ片の塑性変形によって当該斜面を持続的に押し付ける」と解釈するべきである。

裁判所の判断

裁判所は被告の主張及び別件での司法鑑定意見書を認めず。

  • 明細書及び図面に基づいて技術用語である「鉚接」の保護範囲を確定すると原告の意見を受け入れた。
  • 係争侵害品が係争特許の全ての技術特徴を有し、原告の特許保護範囲に入り、侵害になると認定した。
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